風に立つライオン 180928

風に立つライオン 180928
 
原作のさだまさしは泣かせるのがうまい
情に訴えるツボを抑えているから
詞しろ曲にしろ小説にしろ映画にしろ
気持ちよく泣かせてくれる
 
しかしさだまさし本人は
中島みゆきに嫉妬を覚えるという
それもわかるような気がする
彼女の吐く言葉には泣かせるよりも
考えさせて納得させる力強さが潜んでいるから
ここで嫉妬という言葉を使うさだまさしも
それらしいと言えばそのとおりだらろう
英語のジェラシーに近い感覚かな
 
いずれにして
言葉という一面的な嘘が表現活動の限界だ
それは五感というものの限界でもある
無限の美を表現できるとすればテレパシーという
全体観以外に不可能なのかもしれない
 
分離分業という物質文明に依存する支配構造の中で
人間の情と愛というとらえどころのない
価値観に従えば離れライオンという
一匹狼の如く前を向いて生きざるを得ないし
それこそが自然が目指す
食物連鎖と棲み分けの原理に根ざす
生命体本来のあるべき姿なのではないだろうか