江戸へようこそ 杉浦日向子 ちくま文庫

江戸へようこそ 杉浦日向子 ちくま文庫
 
江戸後期の一般庶民が
どれだけ平穏だったかと言うと
「宵越しの金は持たねえ」と
明日の心配をせずに粋がれたことだけでもわかるし
財布を女房が管理するカカア天下であったことでも
納得がいく
 
学問に遊びにあらゆる事に好奇心が強く
性のモラルも開放的で
吉原などの岡場所が公認だったことや
浮気やお隣同士でスワッピングとかも
雑居部屋でのセックスもありで
明るい環境だったらしい
男色やアナルセックスも普通の事だったらしい
 
戯作とか洒落とか粋などは遊び心の頂点であり
心にゆとりのある環境だからこその文化に違いない
いずれにしても何かに付け江戸はすごい
参勤交代もあり長く安定した政権でもあり
当時としては世界一の大都市だろうし
庶民の文盲もほとんど無く文化も知識も教養も高く
鉄砲や機関車見ればすぐに現物を創り出すし
憲法やら飛行機を設計していたというし
数学や測量も発展し日本列島の地図も作っていたようだ
 
それにしても杉浦日向子の好奇心もすごいし
江戸人に負けないその深い洞察力によって
見て来たように細部まで五感に響く語り口は
学問を越えて絶品である