八朔の雪 高田郁 ハルキ文庫
八朔の雪 高田郁 ハルキ文庫
弁護士試験合格率トップという中央大学の法学部出身だと言う
著者は秀才なのだろうが
どうやら幅の広い好奇心を持った人らしい
漫画家であり小説家である上に
多分料理人でもあって歴史も大好きな研究家なのだろう
江戸時代の庶民生活は宝の宝庫である
二人の少女の数奇な運命と生き様を描いた人情物語である
文章も清流が流れるようにキレイで言葉豊富であるけれど
読み進む内の少々作りすぎている気もしてくる
それでも
江戸の風情や暮らし振りが絵になって見えるようで実に愉しい
読みながらよだれのでた人に向けて
巻末には「澪の料理帳」という献立付きである
10冊の連載という長編読み切り小説になっている