ゆらぎの宇宙 櫻井邦明 森北出版
ゆらぎの宇宙 櫻井邦明 森北出版
もしも宇宙にユラギと呼ばれる波動がなかったら
渦巻くこともないし流れだすこともないし
爆発も膨張もないし星ができるわけもないし生命現象が起るわけもない筈だ
ゆらぎがあるから摩擦も起こるし
秩序立ちながらも凸凹な個性を持ち
姿形もできるしそれが壊れもするし
成長もするし進化もする
ゆらぎは相対性故の時空間という場における
凸凹なる部分と全体感を持つ特性なのではないだろうか
何もない無限という混沌から有限という歪みによって
生まれだしたのがゆらぎという力なのでないだろうか
この歪みによる摩擦界が真球を扁平に引き伸ばして
中心を二つ持つ楕円にしたのか更に歪めてドーナツやリンゴのような
トーラス状態のしたのかは兎も角として
一成る完璧故の混沌から《なにゆえ》
その一成る見えないモノを映し出す鏡として
相対する有限という摩擦界を創造できたのか
この《なぜ》こそが生命発生の要かだと思う
ゆらぎという確率論は参加しないかぎり始まらないし
参加してみても始まらないほど目に見えない
ゼロという無限性に近い状態のことである
この在って無い姿をバランス点ともいう