YOU ARE HERE ニコラスクレイン 早川書房
YOU ARE HERE ニコラスクレイン 早川書房
地理学を散歩する
地球誕生から46億年の中で人類が発生して以来の記録が地理学
人類の活動が地球に影響を及ぼす時代をアントロポセン人真世という
最終的にこの本で言うアントロポセンは温暖化問題にたどり着くが
その解決を知識のみに頼っているように見える
しかし今回の問題は意識なしに解決することはないだろう
なぜなら手段でしかない物的な欲望という部分的な切り口で
解決する見込みがないからだ
著者が最後の望みの一つに上げているのが
無条件によるベーシックインカムだ
この体験で人間の意識を
劇的に向上させる可能性があるという
同感だ
表紙をめくると宇宙と地球の関わりからスタートして
太陽と地球の重力均衡点の一つに浮かんでいる観測衛星から送られた
月をはさんでの地球の姿は雲を含んだ地球の見取り図へと案内する
宇宙はビッグバンで始まったと言われている
地獄絵図?と著者が表現するコロイド状の混沌なる姿から星雲となり
銀河系が発生し重力による秩序だった世界が誕生していく
その地球が38億年前になると硫化水素やメタンや二酸化炭素で覆われ
くぼみには水がたまり35億年前には生物らしきものが生まれている
20億年前になると待機に酸素が加わり藻類や軟体動物更には
植物に昆虫に魚類に両生類へ進み爬虫類も現れる
地球の生物は少なくとも土塊に渡り絶滅にひんしただろう
作者は西洋人らしく我々が善悪の分かれ道に直面しているという
東洋の思想で言えば道は大自然を解き明かすために歩いた跡であり
先にあるものではない
環境の調和を壊したならば全体を見据えて軌道修正していくのが
東洋思想であり
部分的な問題点を暴き出して早急に穴埋めを繰り返していくのが
一神教による依存的な善悪思想であると思うのだが