環境考古学への招待―発掘からわかる食・トイレ・戦争 (岩波新書)

環境考古学への招待―発掘からわかる食・トイレ・戦争 (岩波新書)

 

 

環境考古学への招待 松井章 岩波新書

 

考古学といえば宝探しの延長であり

遥か有史以前からの貝塚や墓などの遺跡を発掘して

当時の人間がどんな暮らし方をしていたかと

掘り出した証拠となる人工遺物を分析しながら

推測することだったけれど

 

最近では環境全体と絡めた状態を含め

あらゆる分野の学問を巻き込んだ総合的な研究となり

そこには土壌に紛れ込んでいる種子や花粉や寄生虫などの

自然異物からイメージを広げて見通すことも

大事な情報だとしてより視野の広い学問へと成長してきた

 

棲み分けと食物連鎖による集いや社会形態

あるいは

縄張りによる所有意識や弱肉強食と言う対立関係による

差別やイジメや戦争

はては専門畑に分化する縦の学問体系と共に

選民意識を生み出す宗教観などへと広がる総合性によって

横につながる形を生み出して生きた