芸術師  190513

芸術師  190513
 
形ある過程として存在する人間には
無からの創造は不可能であるし
創造に固定的な姿を持たせる表現行為も
完成物とするのは驕りである
 
創造を形に表現したものを芸術と呼び
造形物やその出合いと理解はその内面に
抽象度を秘めるほど創造性が高まる
創造性こそが芸術の根幹であり
その出合いを演出する表現者を芸術家と呼ぶ
しかし多くの人の手を借りなければ
表現などできないのがこの世の現実である
 
過去の誰かの歌や文章や仕事から得た
感動や知識無しに創造はできないし
手段や道具となる原料も情報も労働も賄も
現象界から借り受けなければ
表現行為も伝達行為も不可能に違いない
 
だとすれば作者や演奏者とは何者なのか?
コンダクターか?マネージャーか?
それとも請負師か?手配師か?
ダビンチやゲーテプラトンやベートーベン
良寛や光悦や北斎や利休にしたところで
師であり
芸術家という価値観に便乗して名乗るのは
恥ずかしく
おこがましい話である