ラマンチャの男 DVD

ラマンチャの男 DVD
 
ピーターオツールとソフィアローレンの
ラマンチャの男を久々に見た
何度見ても良い
《見果てぬ夢》を聞くと胸が熱くなる
ブロードウエイや松本幸四郎の舞台の
ロングランでもあるミュージカルの映画版だ
 
文字と数字を持った有史以来の人間の多くは
知識を貯め込むほど物質文明に取り憑かれて
愚かさを増すパラドックスにハマってきた
共倒れの自滅と知りながらも
その競争社会から逃れられずに来た
相対するお互いにの対等性と自在性によって
自律へ向かう切磋琢磨と調和を目指す
多様な環境が答えだと知りながらも
相手より一歩でも先んじようと不安に陥りながら
テリトリーの略奪求めて加速してきた
 
その一方で好奇心による文明には目もくれずに
その不安恐怖から成る所有欲に溺れることもなく
狩猟採集を中心の集いで個と全体の調和と笑いを
維持しながら食物連鎖と棲み分けによる
対等と自在を維持して暮らしている民もいる
 
そんな多様に暮らすお人好しの彼らも
持ち込ままれた酒が入りすぎると
外圧による不安恐怖や嫉妬に飲み込まれて
いつもの冷静で多様な判断力を失い
仲間割れをしたり殺し合ったりしてしまうが
何故か酒に酔いどれて自分を見失うのは
大方狩猟を分担する男達である
意図的に持ち込まれる酒さえ受け付けなければ
会話によるユーモアと理性で
調和と秩序を維持できるのだが
 
彼らにも反乱分子の暴力を解決できず
村八分や縄張り戦争も無くはないらしい
誰かが余程の利己的野心の病に陥らない限り
理不尽な不安や暴力は起こらないし
この病が伝染せずに絶対的少数派である内は
戦争へと発展することにもならず
集う必要を共有して笑いと調和を取り戻す
 
彼らには
「蛇がいるから寝るなよ」という格言があり
大自然の危険に対する冒険という覚悟と哲学がある