アフガン零年虹の少女 中村直文 NHK出版

アフガン零年虹の少女 中村直文 NHK出版
 
セディックバルマク監督による映画制作をNHKが取材したもの
カンヌで賞を取った後ゴールデングローブ賞まで駆け上る
ニホン以外では「オサマ」と題名され
ニホンでのみ「アフガン零年」と呼ばれ
そこには複雑なニホンの事情と意味が隠れているようだ
各賞を取りまくった所にもアメリカを始めとする加害者側の
後ろめたさが見え隠れしているように思える
 
それにしても戦争とは利己的な権利争いだということだけでなく
第三者が陰で主導権を握り漁夫の利を画策する卑怯で理不尽な
実態を意図的に迷路に埋め込んだということを的確に示している
 
しかしこの本の最後で戦争社会に対して放棄している処方箋に
付いて考えるならば
自己治癒力を高める以外に手の付けようがないということ
更にその自己治癒力は一人ひとりの自律性と
地域社会としての個性や文化の復活以外にないということ
更に世界という人間の群社会の一体感を不安による疑心暗鬼を
植え付けることで分離分裂させ
十把一絡げにして独占しようという企みが功を奏して
嘘と秘密を蔓延させているが現状で
全てが物質文明に溺れた資本金融支配主義に飲み込まれてしまい
人々が暴力におびやかされそれに伴う力尽くの法律で
全ての一般市民が手錠を掛けられ檻に閉じ込められた
家畜と化していることに起因しているということだと思います
 
自ら磨きだした倫理観を持って調和による文化の集いを
取り戻さない限り物質的消費社会の価値観を捨て
精神的に豊かな意識による共生社会を目指さない限り
個性に満ちた多様な関係を愉しむことなど出来ないでしょう
 
過去への権利と競争で未来の先取りに依存することを卒業して
今現在を見据えた分け合う共生社会を自主的に選べるだけの
視野の広い選択を個々が愉しむようになれるまで
依存症を治すことなど出来ないでしょう
 
ニュースという情報は対等で自在な物々交換によって
より大きく広く深く意識を磨き心を育てる「磨き砂」であって
真似するためのモノでも心を売るためのモノでもないのです