まんが茶会入門 正午の茶事 炉編

まんが 茶会入門〈正午の茶事・炉編〉

まんが茶会入門 正午の茶事 炉編 

茶道のパラドックス
堺の貿易商人が何故茶の湯の父と呼ばれるのか
ここにもパラドックスがある
権力を求める暴力と調和を求める信頼による和合が絡み合う
天下取りと利益に目のない貿易商人が
その手段として侘び茶を編み出したこの矛盾が
精神性の真髄となる
意識と肉体による相対界の真理追求に一役買ったのが
茶道なのだろうから面白い

社会的物欲における価値観と個人的精神性における
真理追求とが絡み合うところに
相対性時空間の反面教師という妙があるのだろう

利休が求めた茶道は一期一会であり
その場限りの特別な手前だったはずだけれど
家元制度によって引き継がれた形式茶道は
昔の茶会記をバイブルとして形式化された茶道へ変貌したことで
曲がりなりにも今に伝わることができたというこれも又
パラドックスである
その証拠にこの本が示す知識をひけらかす価値観の醜さ