垣根には門家には玄関 180530

垣根には門家には玄関 180530
 
プライベートな時空間に
入り込む関係を許す線引となるのが
壁と垣根である
どんな垣根にも内外のつながりを保つ
出入り口がなければ窒息してしまう
そこには永遠の連鎖を秘めている
 
一家の玄関は内に住む人々の
深く複雑なつながりを保つ要であると同時に
外と繋るかけがえのない緊張の場である
 
この内側では主観的な一体感を維持するための
緊密な情報交換を必要とする
この関係を人体で例えれば
垣根は皮膚であり目を始めとする五感であり
口を始めとして関所となる出入り口でもある
個々が集い家族を構成して一体となる一家の内側にも
様々なレベルの個室が入れ子になっており
ここにも扉がある
 
人体で言えば臓器の段階で五臓六腑があり
それぞれの臓器は人体を支えながらお互いをも支え合う
大事な担当部署を担う人体の構成員でもある
と同時に心臓はれっきとした一人前の個体でもある
その個体があたりを見失い利己的になってパニクり
更に他の臓器が壊れた心臓を補い切れなければ
それが構成する全体である人体そのものが
存在する意味をなくすだろう
それは連鎖のバトンタッチとなる瞬間である
 
また他の人体と交流を深めてしばしの間所帯を持てば
そこに新たなレベルの一家がつくられ
分身を育てることにもなって連鎖していくかもしれない
この連鎖はラセンで螺旋を描くような
無限の旅を続けているパラドキシカルな仕組みらしい
この世とあの世をひっくるめて
今を要としながら過去と未来を繋げている仕組なのだろう