スノーデン監視社会の恐怖を語る
小笠原みどり 毎日新聞出版
地球上で最大の恐怖組織を相手に内部告発へと踏み切った
英雄らしからぬ沈着冷静な一匹狼の周到な頭脳とユルギのない心に感動
読むほどに事実は小説よりも奇なりを実感し
利己心に目がくらんで搾取する依存以外に生きる価値を見いだせなくなった
人間の浅ましい姿を垣間見ることになる
これほど頭の回転が素早く巧妙なのに何故一歩下がって世界を俯瞰できないのか
どう考えても不思議だけれども
一度振り向いた過去の知識と知恵から抜け出せずに井の中の蛙に閉じこもっている
これが彼らのあわれな現実なのである
不安に怯えてパニクッタ火事場の馬鹿力は冷血この上なく凄まじい暴力となって
執拗にイジメとカツアゲとイタブリに癒やしを求めて何千年と
世界制覇を企てながら生き延びてきたのである
権威ある存在であるほど悪魔が天使の衣を羽織る影で警察国家を操る存在だということだ
今では咳払い一つで側近共が忖度して人より先んじて汚い仕事を率先して果たし
タナボタの利権を献上してオコボレを頂く秩序とシキタリと監視システムが行き渡り
信頼関係を壊された市民同士が裏切り合う
少しでも頭を上げて首を出したり流れを乱せばたちまち通報される監視社会
自尊心や自律心や哀れみや対等観や全体観を持とうものなら徹底的に
アメとムチで洗脳されるか殺されるかのどちらかであることを理解することになる
勿論監視社会から抜け出すにはどうすれば良いのかという問題が大事である
対立と疑い合うことこそが彼らの罠だと気付き過去に溺れた依存心を跳ね返す勇気を持ち
前後左右を見渡せる今を捉え直してお互いの存在を認め合い
対等観と自在性による民主主義を目指すことである
不安恐怖におびえさせられて分裂してしまった市民同士が信頼関係を取り戻すために
自主的に一人ひとりが全体観を求めて視野を広げ切磋琢磨できる仲間を創ることである