狩をするエイラ ジーン・アウル 評論社

狩をするエイラ ジーン・アウル 評論社
 
紀元前35,000〜25,000年のころのヨーロッパが舞台の小説
かなり考古学的時代背景の中での物語なのに
人間関係の辻褄に疑問を感じてしまう
現代社会における道徳観を持ち込んだようなチグハグに戸惑う
 
狩猟採集時代と農耕牧畜時代では
その集う姿も大きさもまるで違うだろう
社会的価値観や掟や道徳は
余剰生産物の大きさから膨らんできたのではないだろうか
家族単位で暮らしていた時代には
一人ひとりの倫理観でつながっていただろうし
村をつくる多数による定住生活になると
競争心とか所有欲とか権利意識とか嫉妬とか嘘とか秘密とか
男尊女卑とか差別とかが発生して社会環境がまるで違う筈だ
この物語では人間関係がかなり複雑に入り組んでいるようで
難しい問題を含んでいるように思う