◎天に唾吐く末法からの解放 170707
◎幸福度100%の社会 170706
AIの遺伝子 山田胡瓜 秋田書店
AIの遺伝子 山田胡瓜 秋田書店
ヒューマノイドや人形ロボットや産業ロボットの医者が主人公
得にAI人工知能の専門家
腕の良い町医者で須藤新医院を経営している
看護婦というか事務員というかリサと二人で何でもこなす
ラーメン屋の大将は味に拘るヒューマノイド
落語家の弟子もヒューマノイドだけれど
空腹感をもっとリアルに感じる人間に近づきたいと相談に来るが
師匠にいっぺん死ななきゃ幽霊役はできないのか
芸は工夫で磨くもんだと諭される
心とか意識という抽象的な範疇をAIは持てるのか?
この物語は患者とのエピソードで一話ずつに待て目られているが
結果はなく過程を描いている
全編エログロなしの愛に関する物語である
ヒューマノイドの限らず
人間も物質文明の中で損得に執着し競争原理に溺れ
切磋琢磨による心や意識に関する感覚を疎かにして
鈍らせてしまって来たようだ
知識に魅せられた人間が全体観を共にする人という生命体の仲間に戻るには
所有という物欲を捨てなければならないが
依存を捨てて自律を目指すことは並大抵ではないということだ
地形で読み解く古代史 関裕二 KKベストセラーズ
地形で読み解く古代史 関裕二 KKベストセラーズ
物証の少ない古代史を今に残る地形と地理の関連性と
現場に立って当時を思い起こしながら
人間の選択肢を拾い起こしていく
のそ状況証拠から当時何が起こっていたかを洗い出す
まるで探偵のように手足で物証を探し求めると言う
実態のある研究方法で読み解いた日本古代史である
政治的な編集が歪めている日本書紀と古事記や
風土記とか魏志倭人伝とは別の姿も浮かび上がってくる
大陸から見れば南東に太平洋という堀をめぐらす
東のはずれである日本列島は攻めるに攻めにくく
そレに値する大きな利益も臨めない特異な場所である故に
激しいせめぎ合いも回避できて来たと同時に
時間を懸けて世界の吹き溜まりともなっていたのだろう
独裁者が生まれなかった理由
なぜ日本人は多神教的なのか
独裁者ではない王がなぜ巨大な古墳群を造ったか
日本を二分する植生の違い
世界の常識を覆した縄文人
ヤマト建国を巡る謎
豊国で朝鮮半島とつながる神功皇后
瀬戸内海と日本海の対立が生んだ天孫降臨
なぜ神奈川に巨大前方後円墳が造営されたか
なぜ八世紀に東北蝦夷征討つは本格したのか
卑弥呼は30の国から選ばれた合議制の倭国王だと
魏志倭人伝に記されているという
この理由は複雑で狭い山と谷と森で仕切られて
大群が動くには不向きだったからだと著者は言う
更には各地の自然災害が多いために
それぞれに恐れるものを神とする多神教が生まれる風土であった
飛騨山脈と鈴鹿山脈をつなぐ豪雪地帯の狭い関が原で
東西を二分している日本列島
又縄文時代の人工は東側で発展していた
西で稲作が盛んになってからも
豊かな狩猟採集栽培の食生活を捨てることはなかった
西は照葉樹の文化で鉄の文化と共に森林が消滅する
北と東は広葉樹のブナやナラの森で植生も違い
雑穀とイノシシの家畜化による文化の違う
農耕を拒んだのは豊かだったことと
土地の所有という所有意識による戦争をきらった兆しがあるらしい
継体天皇は東の福井から返り咲くことになる
縄文人が東から西に移動して来たことで
脅威を感じた西の人々が東を警戒しながら奈良盆地にヤマトに都を造る
日本書紀に見る歴史の改ざん
継体天皇以前の記事を鵜呑みにすることはできない
当時権力を裏で握った藤原氏は天皇の正当性を建前として
本音は日本書紀の編纂によって藤原家が正当な家柄だと見せなければならなかった
正当な蘇我氏を悪者に仕立てることで自分の正当性を築いた