太陽の子供達 小川憲一豊実 日本図書刊行会
太陽の子供達 小川憲一豊実 日本図書刊行会
本を手に取るとまずおかしな装丁に出合う
この本の表紙には子供達の集合絵のみで
題名もなく絵葉書のようで?
思わずひっくり返してみることになる
雅号を豊実(ほうじつ)と自称するらしいが
絵描きと言うよりも冒険家であり
人生の旅人と言うべきかもしれない
バンカラと言うか
今時ありえないほどに珍しい自然体で
今風の修行者かもしれない
そんな人が言葉も通じない状態で
1968年21歳の時船に乗り込んで
南米のアルゼンチンへと放浪の旅に出る
帰りの切符も持たずに
入国できたと言うのだから
時代錯誤も甚だしい話だ
当地でありついたのが日本語の教師
沖縄から移住した人の二世たち20人ほどに
農場の一角にある教室に住み込んで
日本語を教える
言葉と共に人と人が楽しく集う豊かなすべを
切磋琢磨する1年間足らずの遊びの中で
身をもって伝授していく
この本はその間の赤裸々な記録である
とてつもなく楽しいお話だ
ちなみに
電気書籍でも読めます