ベーシックインカムは究極の社会保障か 菅野稔人 堀之内出版
哲学や福祉や経済に関わる六人の学者と
一人の編集者がBIについて書いたものを
並べただけの本である
それぞれバラバラの意見だし議論があるわけでもない
日々の暮らしから遠い過去のデーターだけに
とらわれて安全圏から出られない視野の狭さ故だろうか
何らかの違和感を感じる所も多々ある
無条件という体験に対する気付きとか
意識の変化などへの考察も少ないし
未来に対する開けた夢も感じられない
例えば
飯田泰之さんの中央集権における需要と供給の矛盾を
最低賃金の廃止で解決できるという短絡的な話など
全体が見えていない愚かさにしか見えない
題名からして
無条件によるBIは集いの基本である再分配論であり
社会保障の枠に収まるものではないことにすら
気付いていないらしい