◎経済の社会的立場 151217

◎経済の社会的立場 151217
 
人間に限らず生命のすべては
多くの関係性の上で成り立っている
そこには相互における過不足のない交換と
喜び以外の見返りを求めない無償の贈与
あるいは駆け引きを伴う裏腹の取引を
選択するという繰り返しがある
 
人々はあらゆるモノと出合い集う中で
お互いの存在に対する意味に気付いていく
不完全で二つとない全体と部分の関係を持つ者同士が
出会って選んだお互いを補い合うことで
全体観と部分感を見出し五感による知識の存在と
見えない意識の存在に気付き
視野を広げながら物的な知識を得
より真球でより確かな姿を確認し
あらゆる関係性を理解することで愉しみ
様々な経験を求めて冒険と発見の旅を
有史以前から続けている
 
集いが発展して五感が届かないほどに
社会が大きく広がると
この補い合うことを経済活動と呼ぶようになり
欲という利己と利他の関係が表面化して
過去への依存と未来の搾取と支配に気を逸らし
強欲の堂々巡りに迷い込むことになる
 
ここで相互の関係が部分性に偏ると
利他を押しのけて物的な強欲が独り歩きしだして
我先に物欲で心を支配することになる
 
調和を求めて集うことの手段であるはずの経済活動が
目的に成り上がり小さな縄張りに固まると
今という意識が取り持つ全体性を無視して
過去における物的利権の追求に迷い込むことになる
そこではずるく楽するための手段として
競争原理を持ち込み過去にしがみつく權利の奪い合いに
全勢力をつぎ込むという矛盾に翻弄されて
カタクナに頑固に視野を狭くして孤独に苛まれながら
信頼関係を捨てて生きることになる