ヒカルの碁  ほったゆみ 集英社

 
碁に《神の一手》があるのだろうか?
陣取りゲームの碁に完全なる神の存在が
秘められているとするならば
戦争にもこの世の真理が隠されているということになり
全ての命を全うさせる一手があることになる
 
この道は過去に依存する迷路に過ぎないのではないのか
唯一の望みがあるとすれば
意識における五分五分の冒険なんか
それとも即物的な目的で所有という権利を目指す競争なのかに
掛かっているのかもしれない
 
もしも相手を天上界から降ろされた
蜘蛛の糸から蹴落とさない切磋琢磨の一手があるならば
そこに和光で光明な場を見つけ出せるかもわからない
いずれにしても今のところ
碁で調和の関係を悟ったという人を聞いていない