細胞の意思 団まりな NHK

細胞の意思 団まりな NHK
自発性の源を見つめる
 
細胞が意思を持った生き物だということを
学会の注目を集める危険を侵してまで
しっかりと主張している内容であり
信頼も置けると思うしとても愉しく読む事が出来ました
 
正に私達人間社会の縮図だとも思えるし
部分と全体の関係を外してひよらずに
自己主張にかまけず前を向いて生きる姿に
人間も我を取り戻すチャンスがあるのではないかと
希望を抱ける内容です
 
生命の膨大な歴史を早回しのドラマに仕立てで
見せてくれる細胞の生き様を通して
生命本来の姿勢を目の当たりにするようでもあります
 
生半可な知識によって道を外し
暴力に依存する迷路に迷い込んだ人間が
今後どう舵取りすればいいのかの
ヒントとなってくれているようですらあるように見えます
 
私の中にも60億という途方もない数の組織があり
その歴史と未来があり
私の外にも家族があり友人がいて
似て非なる瀕死状態の社会があります
 
この大自然の無限の営みを感じることで
現状の社会を見直すことができれば
自滅へと向かう侵略行為を打開する方向性も
示すことができるかもしれません
 
抜粋要約
細胞たちは部分的な諸手続きに関するメカニズムに
操られているのでなく
もう少し大きな個としての最終的な姿をイメージしている
その姿に近づくために集中して工夫をこらしている
これらはDNAの範疇にはいらない
何故なら遺伝はDNAを部品とする立場の細胞自身なのだ
DNAは部分のレシピーをコピーで伝えるだけで
全体像は細胞自体が持って分裂増殖していく
生命そのものでもあり全体と部分の関係で連鎖している
生き物は縦横に繋がることで相補的に満たされ
環境とも自律的に参加して共生する
生き物が外部に対して搾取したり毒となる状態で
垂れ流しにすることは衣食住を失うことになる自殺行為に
ほかならない