茜色の坂 船山馨 新潮文庫
茜色の坂 船山馨 新潮文庫
昔に読んだ小説を突然読み返したくなり
図書館が探してくれたボロボロの本を読み始めた
人一倍の勝ち気さとシャイが織りなす一方で
命を忘れた本能的なナイチンゲールとも成る母の
波乱万丈の一面を思い出さずにおられず
一人きりで過ごす今日一日
死の床で蓮花のように清濁合わせた人間を
描き出そうとした物語に読みふけり
人目をはばからずにすむことを幸いに
声を出して泣きながら涙で歪む字を追い続けることになった
この小説のジャンルは不明だけれど
生と死あるいは愛と情または有限と無限をテーマにした
ものなのであろう
252ページの
「死後の迫った人間の視線は自然に仰角的になり
そこにある過去の展望に気付くものなのであろう
未来にあるのは死だけだからだ」という言葉は
末期の眼で見つめると見えなかった奥深いものが見える
苦労は買ってでもしろということになるし
可愛い子には旅をさせろということでもあろう
342ページの「風の行方」あたりから佳境に入る
進むに連れ諸手を挙げて涙無しには読めなくなる
流石に小説家は見て来たように無いものを表現し
洗脳する詐欺師のようなもので
言葉使いがうまく流れるように読めてしまう
学者の文章などに比べれば三倍も楽に読めてしまう
それだけにだまされないように気を付けなければならない
だから私はめったに小説を読まないし
ドラマティックな映画も見ない
裏政界と裏科学 高嶋康豪 藤原直哉 ヒカルランド
裏政界と裏科学 高嶋康豪 藤原直哉 ヒカルランド
造り酒屋に生まれ
実にユニークな人生を渡り歩いた高嶋さんに
喋らせる為に企画された本なのだろう
体験による裏政界の話は
ある側面の事実なのだろうから面白いし
抽象的な考え方には共感するが
天皇論とか明治維新とか果ては宮沢賢治のパクリでしか無い昴などの
現象面を捉える視点は私と真逆だから納得できない
しかし裏科学の方は正に同じ視点に立つ話で面白くてしょうがない
ただ私と違うのは一成る存在を
ニホンという人間社会が悟り
成し遂げるという高嶋さんの思いに対して
あくまでも一成る真球を永遠に目指して成長して行くのが
姿形を持った私達の限界であり
またこの世の使命だと言うことだ
この本の到るところに素敵な真理が転がっているけれども
8章・生命は宇宙から生まれ生物は地球から生まれる
9章・四次元世界を超えて人類の大転換期を乗り切れ
この最後の二章を読めばおおよその内容をつかめるだろう
宗教で表現されてきた完璧な一成存在を
科学で証明できる時代になっていることを告げている
中でも高嶋さんの専門である微生物の話が面白いし
放射能を還元世界のこと世からあの世に送り届けるくだりは
福島原発事件を抱えるニホンにとって絶妙なタイミングかも知れない
相対性理論はビッグバンのあと光が生まれてからの状態を説明している
リンゴが落ちるという引力で説明したニュートン物理学と基本は同じスタンスで
ビッグバンというこの世の摩擦界と相対するブラックホールとか零なる無限やあの世とかを無視した片肺飛行ということだ
期間=時間軸と距離=空間軸と質量=物質軸を持つ有限界と持たない無限界の両方を理解した和光なる空=真理=愛=美の環境を科学的に解明しようとするのがこれからの千年だそうだ
ダークマターとダークエナジーと反重力について説明しブラックホールで零に向かい
ビッグリップで螺旋状に無限に向かう
つまり零という無限は無でも有でもない状態を意味するのだろう
そこではエントロピーが増大しながら消えていくパラドックスを体験することになる
元素の世界が5%で
ダークマター=暗黒物質界が27%で
ダークエナジー=暗黒エネルギー界が68%で宇宙は構成されているのだという
ガイアの法則2 千賀一生 ヒカルランド
ガイアの法則2 千賀一生 ヒカルランド
この本を多くの点で理解できるし共鳴もできるが
シュメール最高神官なる者の言う通り
彼らは未完成だったがゆえに滅び
極度な男性原理に至らせたと言い
ニホン極東列島が次の時代を担う135度に当たり
日本人には女性原理の資質が他のどの民族よりも
潜在的に維持されているので完成させるべきだとも言う
方やで宇宙バイオリズムに沿う無限の流れと言う矛盾を
説明していない
神官に仕える献身的な多くの巫女を侍らかすことを
愛だと正当化しており
現状の一夫一婦制度を批判しているが
この法制度は兎も角として彼らの巫女制度も
シュメールと同じ血を引くと言う天皇制度も
認めがたい
女性性というよりも母性性と父性性を
語るべきではないだろうか