植物の貌 吉村華泉 主婦の友社

植物の貌 吉村華泉 主婦の友社

 

華道龍生派幹部総出の抽象的な作品集である

確かに見応えがあって面白い

生き物を切り取って造形美とするのだから

生贄でもありエントロピーに乗って

刻々と姿を変えるきわどい美の創造でもある

だからこそ思い残すことのない

吹っ切れた表現ともなるのかもしれない

 

形として残るのは記録写真に付随する

作品名や作者の名前

社会的価値観ぐらいなもので

本質は消え失せるのだから

余韻だけで何も必要としない筈の世界でもある