手すりのない階段と踊り場  220207

手すりのない階段と踊り場  220207
 
先の見えない階段をのぼり
踊り場で長湯をしたり横道にそれたりしながら
日々刻々と良かれと判断して
一方通行を生きながらえているのが
人間の生き様だ
その場その場で互いに選び出合う体験によって
気付きと悟りを繰り返すことで
無限を垣間見ながら創造を膨らませて
一つひとつの人生を限りなく重ねて行く
 

おんぶ文化  220205

おんぶ文化  220205
 
何故か圧倒的に少数派のおんぶ文化
中でも顔の見える腹這いスタイルのおんぶは
ニホンとヒマラヤ地域ぐらいだろうか
抱っこは仕事にならないけれど
子どもと優雅に戯れるに最適だし
その間は親も生活から避難できる
 
おんぶは手があくので
家事も野良仕事もできるし
子守しながら
マリつきや縄跳びだってできる
 
猿はお腹にしがみつかせて子育てするが
人間で赤ん坊を抱きながら
仕事をする人はいない
 
おんぶは長時間のスキンシップを可能にし
お腹を親の温もりの中で守られながら
安らかに呼吸を合わせて眠り
肩越しの目線で言語を通した社会性や
立ち居振る舞いを身に付けることができる
 
子どもの心身の健やかな成長に
乳房とおんぶによる豊かさは欠かせない

素の自然体と演技 220129

素の自然体と演技 220129
 
オリジナルとコピー
ウソとホント
依存と自律
見栄と本音
競争心と切磋琢磨
 
これらの入り組んだ
想念の全てをもって
自分だとも言えるけれど
他者を意識した行為と
自分に没頭している行動の違いが
迷いと本気の分かれ目か
 
小説やドラマに託して
何を表現したいのか?
他人の作詞作曲を借りた演奏で
何をどうやって自分を現したいのか?
ドラマの俳優は
どこに自分を盛り込むのか?
見たり読んだり聞いたりする方も
この複雑に織りなす土俵での表現を
どう汲み取るのか?
要素が多く抽象度が絡まるほど
そこに真意があるのかないのか?
難しくなる

くらしのアナキズム  松村圭一郎  ミシマ社

 

 

くらしのアナキズム  松村圭一郎  ミシマ社

ここで言うアナキズム
無政府主義という意味ではなく
鶴見俊輔によると
権力による強制なしに互いに助け合って
生きていくことを理想とする思想だと言う
つまり相互扶助・切磋琢磨・自律共生関係
互いに与え・受け取り・返すと言う
三つの循環を満たすことで調和を目指す関係を
アナキズムによる集いと呼ぶ

出合いの構造からみる社会には
群れと集いの二種類があり
利害による群れ
地域による群れ
行動による群れ
血による群れ
情=家族による集い
愛=友による集いの五種類がある
「群れ性」の結束力は強いが
利害関係が崩れれば
可愛さ余って憎さ百倍となり
傷つけ合うことにもなる
「集い性」の粘着力は薄いが
違いを乗り越えて補い合うことができる

結果重視の唯物主義と違い
プロセス重視で人と人がゆるく
有機的に対等につながるアナキズム社会は
法という無機的な縦社会の権力構造と違い
集い性が高いのだと言えるだろう

平等社会は善人の善人によるユートピアではない
むしろ我欲という業を抱えた
不完全な存在だからこその仕組みなのだ

民主主義の根底には同意というコンセンサスがあり
多数決による勝敗民主主義とは相容れない
全会一致主義は封建的・作為的・少数派圧殺というよりも
あえて多数決をしない部落の暮らし第一主義なのだ

 

目指す目的と手段  220125

目指す目的と手段  220125
 
生命体が子どもを産み育てることは
目的なのか手段なのか?
人は日々一刻一刻何を目指して判断を下し
過ごしているのか?
赤児は何を求めて泣きもがき
満たされては寝て
起きては届く限り空を探り求めるのか?
あなたは何に満たされて喜びを感じ
何を追い求めて今を選んでいるのか?
 
五感に触れる
手近なモノで妥協していないか?
それは人生をかけるだけのモノなのか?
それで心から満たされることができるか?
 
人が最も欲しいものは
信頼関係にある調和の瞬間ではないのか!
切磋琢磨で出合う気づきの喜びではないのか!
それはエネルギーであり美であり愛であり
慈悲であり利他心であり
真理に対する気付きなのではないのか?
その他の重さや摩擦を持つ形あるモノは
手にするそばからはかなくうつろう
有って無い存在で足がかかりにすらならない
 
衣食住の確保は
生きるに無くてはならないけれども
考える葦とも言われて来た人間にとって
活きる目的に足るだろうか?
姿形を持った物質は命を支える手段や
行動を助ける便利な道具として
とらえるべきなのではないか?
 

前向き 220123

前向き 220123
 
善悪などの社会性に関係なく
自主的に行動することを前向きという
そこには結果として不純物が少なく
透明度が高く自然体の振る舞いがあり
信頼と調和を目指し切磋琢磨を楽しむ
利他的な集いによる相乗効果が起こるが
そのユルさに甘んじて停滞してしまうと
なまぬるくなった湯から出られなくなる
 
逆に行動の伴わない有言不履行や
依存による他力本願を後ろ向きという
そこには身を隠した不透明な思惑があり
搾取や支配や詐欺的な要素が隠され
疑いと対立による競争原理を取り込み
漁夫の利を求める利己的な所有を
可能にする権力構造が仕組まれ
お互いをムシバム苦しい下克上に陥る
 

集うことの意味  220123

集うことの意味  220123
 
個々が出合うことから
家族関係と友人関係が発生し
親族と仲間による関係へとつながり
地域社会を生み出す
この小が大を生み出す流れを支えているのは
より合理的な生産力であるが
過剰すぎる余剰生産を可能にしてしまうと
それに依存しようと利己的な所有欲につまずく
人数が増える大きな関係ほど
ゆるく薄いつながりとなる自然に逆らって
依存心という小利口で目先に溺れた
邪神が芽生えて搾取支配を模索し
大が小を管理する逆流の社会に執着しだす
この陰に不安を感じる身は馬鹿力を発揮し
粘り強い負の努力を重ねて矛盾を生み出す
この正と負の二面性こそが「反面教師」となり
真理へと向かう気付きと成長の場となる