◎人生の意味 170410
◎人生の意味 170410
生きるということは進むことなのかさまようことなのか
進むのだとすれば何を目指すのか
大自然の流れには真理と呼ばれる意志があるのだろうか
充てがわれた法則に流されているだけなのだろうか
人生が《青い鳥》のように真理を探す旅だとすれば
混沌で一成る存在を解き明かすことを目的とすることになる
そこには存在の意味が生まれる
さまようのだとすれば意味などなく
ひたすら生命維持のためだけに迷い歩くことになる
そこには混沌があるだけなのか
あるいはアテガイブチの神と呼ばれている飼い主がいるのか
この飼い主は何を求めて
私達を家畜やペットや奴隷や役人とする必要があるのか
求めるものがあるということは私達と同じように
不完全な存在だと言うことになる
私たちは彼らの道具や手段として何を強いられるのか
単に物的な生産の向上なのか
それとも解決するべき何かがあるのだろうか
結局は私達の自主性によって真理の発見を目指すのか
強制された仕事として日々をこなしていくことなのか
人生を充てがわれた苦しい仕事とするのか
自主的な選択による喜びとするかの違いに過ぎないようでもある
それにしても一人ひとりによって刻々と途切れることのない
選択を誰がするのかが問題であり
自主性によってのみ勇気による未知なる冒険という
飛躍を選ぶことができるのでないだろうか
ムンジャクンジュは毛虫じゃない 岡田淳 偕成社
この文庫本は岡田さんの初めて出版されたハードカバーの本を
書き直したものらしいから
最初の本と読み比べてみるのも面白いかもしれない
小学校の図工の先生をしながら家で描いた物語が
クチコミで広がって編集者の耳に入り
出版されることになったのだという
つまり作家としてのプロで食べているわけでないところが
媚のない素直は表現をいよいよ可能にしているのだろう
図工の先生だから挿絵も自作だ
もっとも後々の描き込まれた個性的な絵とはだいぶ違うけれどね
物語の方は何度も何度も時間を掛けて描き直されて
すこぶる練り上げられたストーリーの展開で
読み手の心をはなさない
岡田さんの物語は奇想天外でありながら
違和感を与えずに納得させ
それとなく生き方へのメッセージを忍び込ませてある