水木しげるの古代出雲 角川文庫

水木しげるの古代出雲 角川文庫
 
最後に現れた番外編にたどり着くことで
随分と理解を深めることができたけれども
それでも情報が少なすぎて物足りない
 
できればもお一歩踏み込んでほしかった
例えば心の声とかナレーション等で
裏情報を描き込むことで
状況の選択肢を増やしてほしいし
水木流のストーリーを盛り込んでもらえればと残念だ
 
タタラ族に付いても唐突で
なぜ川を汚すのかとか
どこから来てどんな考えを持った民の可能性が強いのかなどの
空白が気になるし
縄文人についても暮らし振りと衣服のギャップに違和感があるし
何時どこからこの島に辿り着いたのかと思いを巡らすための
手掛かりがほしいし
 
一番の問題は
スサノオに始まり大国主の命に至る出雲族の立ち位置だろう
又高天ヶ原と天孫族の関係は同族同士なのか?
異なる種族なのか?
縄文人と出雲族天孫族の関係は?
更には東北の民やアイヌの民や熊曾などの存在とどう関わるのか?
 
それにしても
大判の本で読めばこの描き込まれた精密な絵を
もっと楽しめたと残念に思う