日本人の死生観  立川昭二  筑摩書房

 

 

日本人の死生観  立川昭二  筑摩書房

文学史を学び北里大学と言う医者の環境に身を置き
死や老いに関する哲学を覗き見た人なのか?
西行の死生観に始まり鴨長明吉田兼好松尾芭蕉
最後に良寛へと12人の詩読みと生き様を通して
ニホンに根付いてきた死生観を掘り起こすと同時に
現代人の死生観と比較して見るために
自らアンケートを集めて分析する

この極東列島と言う吹き溜まりである
有史以前からの多民族国家でありながら
あるいはだからこそ生まれた
執着のないあの世とこの世を行き交う
根深くも静かな死生観を生み出したのだろうか

死の恐怖というよりも
流れに参加する旅の冒険で
知ることの楽しみを分かち合う
悟でもなく迷うでもない有って無い無手勝流の
満たされ感に浸る心地よさ