複雑さを生きる 安冨歩 岩波書店

複雑さを生きる 安冨歩 岩波書店

 

二章の「関係のダイナミクス」は読みにくかったけれど

三章の「柔らかさの実現=無形」以降には共感できる

p134にある川井アユムが創設したという

EDコントライブ社の役員立候補制度などが

現存していることを知って希望を強めることができた

 

責任の追求は原因と結果という事の前後を切り捨てる利己心で成り立つ

因果関係を追求すれば社会や歴史のすべてが関わってくるからだ

掘下げれば被害者が加害者の一部にもなり自虐的側面を持つことにもなる

三者たる者はなくなり裁くとか区別や差別いうことの矛盾がそこにある

 

四章の「無形ー柔軟な孫子の兵法」 (浅野裕一「孫氏」)

色や味の素は少ないがその組み合わせは無限であり

水の如く柔軟で自由自在である

五章「やわらかな市場」

市場をitibaと読むかsijyouと読むか

 

理性への盲信という視野の狭さが

対等な目線による無形の自在性を見失い

上から目線のうぬぼれによるもぐら叩きのような

無限の可能性を無視して情報不足の統計による

直線的な計画経済で未知でしか無い

未来を閉じ込めることを推し進める

 

金子勝「市場」

大庭健「所有という神話」岩波書店

小谷汪之「共同体と近代」青木書店