霧のむこうに住みたい 須賀敦子 河出書房新社

霧のむこうに住みたい 

須賀敦子 河出書房新社

さり気なく行き届いたおしゃれなのだろう
表紙にはシミの付いた壁とタイルの床に置かれた
古びた木のダイニングテーブルがあり
カバーは霧に包まれた絵に入れ替えてある
どれも装丁者によって選ばれた借り物の写真なのだろう

著作権とか特許とか権利社会は兎角面倒だ
厳密に言えば生きながら環境という過去の利権で
埋められているようで
お互いに三すくみに陥って動きが取れない愚かな社会だ

読み出してみるとどこかで読んだ覚えのある文ばかりで
おかしいと思ったら
過去の文章からよりすぐったものらしい
自分で編集したのだろうか?