ハンナ・アーレント人間の条件入門講義 仲正昌樹 作品社

ハンナ・アーレント人間の条件入門講義 仲正昌樹 作品社
 
アーレントの主張は素晴らしい内容だと思うが
翻訳の難しさもあり
下地があったとしても読み砕くのが難儀だ
落としがないように本として表現するためには
残念だけれども法律のようにクドクドと周りを固めて
お客である見えない相手を攻めなければならない
 
ついでと思い仲正さんの知識バカを読んで
当人こそが知識バカの見本のようだと思い
図書館にこのアーレントを注文したことを悔やんだほどだったが
言語的な解釈による説明は結構読みやすかった
 
要所毎にまとめた黒板ページだけ読んでも
大方理解できるほどに咀嚼されている
 
74ページの
(精神)活動だけが人間の排他的な特権であり
野獣も神も活動の能力を持たない
そして活動だけが
他者の絶えざる存在に依存しているのである
 
このあたりから面白くなる
ちなみにハンナによる人間の条件とは
活動と行動の両方を備えていることであり
動植物は行動のみで
神は行動を伴えないと言うことらしい

確かに古代ギリシャのポリスと言う都市国家の民主制は高かったし
その政治は精神性を大事にしていたのだろうけれども
その陰に奴隷制を必要としていたことが肝心な点だと思う
これを現代社会に持ち込むにはAIとロボットが
無ければ始まらない筈だ
 
ついでながら仲正さんの文は句読点だらけで
テニヲハも適切でないことが多いように思えた