ハンナ・アーレント人間の条件入門講義 仲正昌樹 作品社
アーレントの主張は素晴らしい内容だと思うが
翻訳の難しさもあり
下地があったとしても読み砕くのが難儀だ
落としがないように本として表現するためには
残念だけれども法律のようにクドクドと周りを固めて
お客である見えない相手を攻めなければならない
ついでと思い仲正さんの知識バカを読んで
当人こそが知識バカの見本のようだと思い
図書館にこのアーレントを注文したことを悔やんだほどだったが
言語的な解釈による説明は結構読みやすかった
要所毎にまとめた黒板ページだけ読んでも
大方理解できるほどに咀嚼されている
74ページの
(精神)活動だけが人間の排他的な特権であり
野獣も神も活動の能力を持たない
そして活動だけが
他者の絶えざる存在に依存しているのである
このあたりから面白くなる
ちなみにハンナによる人間の条件とは
活動と行動の両方を備えていることであり
動植物は行動のみで
神は行動を伴えないと言うことらしい
ついでながら仲正さんの文は句読点だらけで
テニヲハも適切でないことが多いように思えた