しだ・こけ 岩月善之助 井沢正名 山と渓谷社

しだ・こけ 岩月善之助 井沢正名 山と渓谷社

 

小さなくせに重く立派な本である
私のように家で読む者にとって
絵として見るにはとても素敵な
オールカラーのハンドブックだけれども
詳しい説明文の内容を理解したいと思うと
もっと大きなディテールの見える写真が
沢山ほしいと思うことが多い
しかし大判の本になれば更に重くなるので

この本の目的を損ねて実用性をなくしてしまう
というジレンマがある

それにしても

こうした地道な研究が社会を支えている事実を
目の当たりにする思いだ

野犬やクマやヘビやイノシシなどと出合う危険の中に
大荷物を抱えて一人か二人で深い山谷などに入り込む
在っても獣道で大方は道なき険しい場に分け入って
マレにしかない種を嗅ぎ分けて行くのだから
冒険が好きでなければできない
掛け替えのない研究書である