自閉症児エリ−の記録 クララパーク 河出書房新社

自閉症児エリ−の記録 クララパーク 河出書房新社

 
母による娘の記録である
この著者は自らインテリだと自負しており
愛を計算尽くの情としてしかとらえられないようだ
無償の愛を理解していないし
社会的な評価を大事だと思っているし
とても素直に思いのまま赤裸々に書いているようだ
しかし事実は他者の目を気にして行動していることに
気も付いていないのだろう
云わゆる良妻賢母として100点を目指す母のようだ
とは言えエリーという自閉症児との関わりを
克明に記録していることで
読む者にとって助けになる本だといえる
又英国の福祉は成功と言えなかったと思っていたが
それは行政的な失敗であって
巷における市民感覚としては行政の窓口担当車を含めて
意識が高く柔軟に法と現状をすりあわせているようだと知った
政治を利権の舞台にしてしまったアメリカの医療制度や
心理療法や人間疎外の経済的支配による意識の低い選択が
いかに貧しく不安恐怖を抱えているかを知ることができる
義務と権利と責任を押し付け合うことで
負のブーメラン効果による自虐的な社会を
生み出していることを見出すことができる