◎知識から意識へ 170120

◎知識から意識へ 170120
 
人生は無知と好奇心から始まる
胎教という右脳の予備知識はあるにしても
生命体の左脳は無垢の状態で産み落とされ
重力と共に摩擦の洗礼を受けて
相手という自分を写す存在に出合う
それは無限にたゆたうが如き子宮の暮しから
向き合う相対性時空間へとワープする旅でもある
 
孤立した個として裸でとりとめのない空間に晒され
肺から吐き出すことで自主的な呼吸に挑戦して
生命としての冒険のスタートを踏み切る
 
手足を伸ばして辺りを探るこの瞬間を乗り切る判断は
持って生まれた好奇心の力であり
その体験は無垢な頭に知識を注ぎ込み
好奇心で満たされた心で意識へと咀嚼すると
臼と杵で自らの出合いを選択するというピストン運動が起る
 
この相互通行は唯物領域と観念領域が入れ子になった
永久運動の切り口の一つであり
そのピストンによって起る波の流れは
極度の抽象性と極度の具象性との間を行き来しながら
形あるあなたも私もその連帯である形なき全体も
三つ巴になったお互いを理解し合い全体を織りなして行く
 
具象という形あるモノは抽象という形なきモノで満たされ
形なきモノは形あるモノによって
咀嚼された意識として表現され続けるのである
 
観念という清と唯物という濁を併せ呑めたとしても
その後清を主張できるか濁に染められるか
双方の執着を捨てて無色透明に昇華できるか
この三つの選択肢がありそうだと
三途の川までたどり着いたとしても
次に控えている三つ巴のどの道がどこにつながるのか
選ぶべき先が見えずに試し試し波を見極めながら
目を凝らしてタイミングをはかるプロセスにあるのが
相対性時空間というこの世のいとなみなのであろう