方丈記 長尾剛 若菜等 汐文社
現代語に訳した鴨長明の方丈記
漫画版の感じで少し砕けた意訳が多すぎて
作者の意図や詩的な美しさから外れているようの気もするが
色々な姿があることで
多くの人に触れるチャンスが生まれるのだろう
少し重たい本だけれども
挿絵も清々しくて嫌味もなく素敵な本に仕上がっている
おごる平家による腐敗
おっとり刀の源氏による権力主義
官僚支配と警察国家は弥生から始まりここで仕上がる
平安時代も鎌倉時代もおよそ現代社会の持つ歪みと悩みと
まるでかわらない矛盾を抱えていることを理解できるし
後半では
鴨長明の嘘に対する反骨精神や
視野の広い率直な生き方を読み取ることで
私達が自分の本心に気付けたり納得することで
自分の人生を選択するヒントにできるほど今に通じる内容だ