《神》の証明 落合仁司 講談社 160312

《神》の証明 落合仁司 講談社 160312

 

この世を超越した無限なる神の一部なりとも

数学的に集合論を使って証明しようという試みである

 

なぜ宗教は成り立つか

人が神に成る

神が人に成る

東方キリスト教を手掛かりに

全宗教を貫く不変理論を提唱する

 

この世の他者であり無限であるあの世がこの世に内在し

有限であるこの世界の自己がこの摩擦界を超越すること

無限を論理の対象としたのは

19世紀末のカントールによる集合論である

 

こうして神の一部を客観的に見れるならば

宗教間の対立の多くを議論の積み重ねによって

解決できる可能性が開けるだろう

 

神が無限であるならばいとであると同時に多でなければならない

一人ひとりに内在する多なる神は

この有限世界を超越する一成る無限という存在なのである

 

この世の人間がこの世を超越してどこまで無限なる神に近づけるのか

人間は究極的に無限を悟れるのか悟れないのか

集合論から答えを導けば例え人間が神と出会えたとしても

神は悟った自己自身をも超越することになる

集合論による無限とは自らをも超越する程に絶対的なのである

このことは信仰とは別の問題でもある