人工物の歴史 150526

人工物の歴史 150526
 
人間が本格的に《物》を創造しだしたのは
石器時代に始まるのだろう
それは集合意識と繋がる
豊穣なる自然への感謝や畏敬の念など
インスピレーションの世界から始まったのかもしれない
そして生活の道具へと受け継がれてきた
 
農耕や牧畜が起こる新石器時代になると
お互いの目の行き渡る家族的集団から
利害という事務的に繋がる都市的集団へと膨らむ
そこでは個々の個性をつなげて全体を創り出す有機的な価値観から
固定的な社会的価値観という約束事で力尽くの秩序を作り出す
これ以後個を犠牲にする法という秩序で縛り合うことになる
 
その後蒸気機関による大量生産大量消費による
使い捨てで利益を得る金融と産業による革命が始まり
益々人間性から物質性を中心とする無機的な唯物主義へと進み
全てが商業的価値観を尺度として計られるようになる
 
それでも1960年台までのモノは個性的で文化的要素が大きい
民芸とか手作りとかいう価値観が取り沙汰され・・
しかしそれ以後は
均一化が進み建前優先の価値が世間を支配し
自分で育てる美意識を恥ずかしいものとして
より見た目に大きな武力を持つ価値観に依存していくことになる
殆どの部品が共通化されて
一見多品種少量生産に見せ掛けながら
その実全てが同じ使い捨ての消費物資であることを本音として
色変わり程度の文明品になってしまいました
めでたくなし めでたくなし