南極海極限の海から 永延幹雄 集英社

南極海極限の海から 永延幹雄 集英社
 
南極点を目指して
すべての場所から南へ向かえば
赤道に南回帰線を超えて更に
暴風圏のなかに潜む魔の海峡を生き延びれば
冒険のロマンや英雄の権利を掛けて危険を挑んだ
南極大陸がある
 
人間の暴力に侵されていない野生の世界が残っており
過酷だが清浄で豊かな命が満ちた場がある
 
しかし海洋生物資源研究者として現場に携わってきた
著者の言葉から私は
大自然の食物連鎖と人間の弱肉強食論の狭間で
視野を狭めた執着と依存心による不安と強欲からなる
傲慢な自滅への道を発見して考えさせられる