共生生命体の30億年 リン・マーギュリス 草思社

共生生命体の30億年 リン・マーギュリス 草思社
 
まず全体観を持っている視点に圧倒される内容である
生物学者とは思えないほど視野が広く文章もうまい
訳者のあとがきを読むと同じ人の文かと疑いたくなるような
テニヲハの使い方までが違う
原文が在っての訳文なのだということを
改めて考えさせられた
 
競争する姿と切磋琢磨する姿を見極めるのが難しく
見る視野の深さと角度によって読み違えるのと同じで
今を学ぶか過去に逃げ込んでいるかの違いで
現状をどう理解できるかも変わるものだと思う
力尽くなネオダーウィニズムに支配されている
部分論的で物質至上主義な現状が
時代遅れなのもいずれ歴史が証明するだろう
 
p35
遺伝系には核と細胞質の二種類がある
オルガネラの研究によって
進化が血みどろの競争とする旧来の考えから
共生が重要な役割を果たしてきたということが表舞台に上がる
動植物などの意識も
共進化した祖先である細菌に由来するものである
細胞同士の共存と侵入と同化は忍伝の性のよりも深いものがある
共生発生が真核細胞の起源であるためには
4つの過程があることを証明する必要がある