いたずらおばあさん 高楼方子 千葉史子 フレーベル館
いたずらおばあさん
二人のおばあちゃんにヒソムいたずらっ子が蘇るお話
服飾研究科のエラババ先生が発明した若返る下着
それは「隠れみの」や「裸の王様」の現代版
透明の布で全身にかぶると皮膚のようになり
一枚ごとに一才若返る魔法の下着
84才のエラババ先生が8才になるには
裸になって76枚のおくるみを重ね着しなければならない
その上に子ども用の服を着れば
大昔の自分の肉体に今のままの意識が乗り移る
ので気を付けないと声や言葉使いがおばあちゃんになってしまう
二人のおばあちゃんは日曜ごとに子どもに化けて
ハシャギまわりデパートの屋上や食堂に行き
「おやつセット」なるお菓子を食べたり
素直な感性の子ども心を失って物欲に汚れた大人にいたずらして
子ども心の愉しさを思い起こさせて行く
何と言っても
知識に溺れ勝ちな物質文明の中で
大事なのはモノにヒソム知識を手段として
人生の目的である
子ども心にヒソム形のない意識を
具体的な体験で育てて行くこと
少し社会性も覗くステキなお話でした