隷属なき道 ルドガーブレグマン 文芸出版

隷属なき道 ルドガーブレグマン 文芸出版
A I との競争に勝つベーシックインカムと三時間労働
 
この本でグレグマンが主張することを一言で表せば
狩猟採集時代の自在性と対等性を取り戻すということだ
個々がそれぞれに中心となって手段として自主的に集う
全体観である
 
嘘と秘密を無くして透明度の高い再分配の徹底を目指し
押し付けられた社会的価値観による労働環境を必要最小限にし
権力による縄張りの理不尽な国境線を取り払うことによって
個々の自由な裁量と切磋琢磨によって競争世界を卒業し
個性という凸凹を補い合う相乗効果をもたらすと言うものだ
 
縄文時代と違いA I とロボットによる客観的な判断で戦争を無くし
過不足のない技術力と生産性で飛躍的な自由自在性を得た人類は
奴隷なしの直接民主主義を手にするチャンスを勝ち取り
形を持たない意識の成長を目指す創造の世界に向かって
丸腰で歩む喜びと冒険を可能にしたことを
この本によって証明したのである

生産性の向上と分配制度の確立で得た具象的な生命維持の安定は
人生の大半を占めてきた手段である限りない所有欲と権力の獲得を
限りなく薄めてくれる
それは人生の目的である抽象的な精神性の探求と表現に
打ち込む事を可能にする新たな次元へのアプローチとなる