へうげもの 山田芳裕 講談社

 
これは漫画だけれど
かつて小説で「信長の棺」というのがあった
あれも面白かったが
本能寺の変においておっとり刀で仇を取る状況からし
律儀な明智光秀を追い込んで
信長暗殺を企んだのは豊富秀吉しかいないと‥
そこまでは私も同じ発想だけれど
その奥に利休を持ち込んだこの漫画の発想には
無理があるけれども面白い
 
総合美を追求した利休にしたところで
再分配のインフラであるべき流通を
美とは程遠い物欲と利権にハマった商業に置き換えて
生業とする業から卒業できない迷える人間である
 
生産から外れた武士である織部は
利休よりもう少し素直に依存心と物欲を認めながら
自分のずるさにも気付き
精神性に迷い込む自分の姿を観察するゆとりがあるのか?

茶道を通して茶陶あるいは建築などの
総合的美意識の関する知識も豊富である