成長を目的とする人生 170903

成長を目的とする人生 170903
 
まだ未分化の抽象的な全体観を持ったままの
《未熟児》である赤ん坊としてこの世に産まれ
唯一の存在として自己主張することで
まっしぐらに具象的な知識の収穫と
意識の成長を全体感からの本能として自主的に目指す
 
言葉を覚えた一人の人間として分化を強め
互助的な集いの中で子どもとなる《幼年期》には
関係性という抽象的に少し高い
出合いを選択するための視野の問題に直面し
社会的な裏と表と言う知恵を学び始める
 
性に目覚める《青年期》には女性性と男性性に分化した
部分としての個性ある人間に目覚めた自己主張によって
相対性時空間における全体とは何かを考え始める
 
つがいとなって子供をつくり社会性に関心を持つ
《壮年期》には組織の中で大小や強弱の直線的な力と
循環する曲線的な流れの中でパラドキシカルな
矛盾を孕む社会性に揉まれ
過去を起点とする競争原理と
今を中心とする切磋琢磨のハザマで
部分の中に存在する全体に気付き
知識を咀嚼した意識を発見して
より広い冒険の旅に翻弄される
 
子どもを育て終わり生産と消費から解放される《老年期》には
母性性と父性性を目指し個意識と集合意識の関係として
部分と全体を見つめ直し出合うことの縁の関係に気付きながら
肉体としての直線的な部分性の一生を終えて
純粋な精神性による曲線的な全体観の循環へと戻るのだろうか