野鳥の公園奮闘記 加藤幸子 三省堂
野鳥の公園奮闘記 加藤幸子 三省堂
著者は20年前に作られた東京湾埋立地に自然発生した50ヘクタールほどの
ビオトープと出合い感動したことから
そのまま温存する自然公園を東京都に提案する話へと発展してこの話は始まる
その前に著者は二児の母であり《小池しぜんの子》なる自然観察と野外生活訓練を
目的とする会を長年継続していたらしいし
子供の頃からナチュラリストであったようで農学部出身の小説家でもある
八年半の時間を費やして区役所・都庁・農水産省に築地市場などと掛け合い
遂に58年・大井埋立地の自然を守る運動が27ヘクタールで実を結ぶことになる
つまりそのままというわけではなく多くの部分を人の手で作る自然公園となる
それでも見渡す限りの敷地に多種多様な生物が行き来し棲み分けて
食物連鎖を繰り広げる自然環境を生み出しているという
こうした行政の隠蔽体質による上から目線で与える利権体制をこじ開けて
市民が公的開発事業に参加して成し遂げた公的空間の顛末を全国に広げられれば
明治以来のお上の縄張り行政と大衆の対立関係を
真当な公僕とまでは行かなくても正常化して行けるのではないだろうか
まず地方行政と市民の関係回復からニホン全体を市民参加による解放された
政治にする半歩を踏み出せるのではないだろうか
ところで気になるのは文体
例えば
佐藤さんは、現在は自分の子ども連れで参加している
あるいは
これは一方では、~
というのはよくあることだけれども
文法に外れていませんか?