ムンジャクンジュは毛虫じゃない 岡田淳 偕成社

ムンジャクンジュは毛虫じゃない 岡田淳 偕成社

 

この文庫本は岡田さんの初めて出版されたハードカバーの本を

書き直したものらしいから
最初の本と読み比べてみるのも面白いかもしれない

小学校の図工の先生をしながら家で描いた物語が

クチコミで広がって編集者の耳に入り

出版されることになったのだという
つまり作家としてのプロで食べているわけでないところが

媚のない素直は表現をいよいよ可能にしているのだろう

図工の先生だから挿絵も自作だ

もっとも後々の描き込まれた個性的な絵とはだいぶ違うけれどね

物語の方は何度も何度も時間を掛けて描き直されて

すこぶる練り上げられたストーリーの展開で

読み手の心をはなさない

岡田さんの物語は奇想天外でありながら

違和感を与えずに納得させ
それとなく生き方へのメッセージを忍び込ませてある