僧侶と哲学者 フランソワ・ルベル マウチリガール 新評論

僧侶と哲学者 フランソワ・ルベル マウチリガール 新評論

チベット仏教をめぐる対話

 

元哲学者で今政治評論家と評される父親

彼をリスペクトして育って生物学者で成功しながら

すべてを捨ててチベット仏教に飛び込んだ息子の対談である

この二人の知識量もさることながら

その柔軟な心と意識の高さと心の強さに感銘した

素晴らしい親子関係だと思う

 

数え切れないほどのタグを見ても

この本を全部書き写すことになりそうなくらい

真っ直ぐなやり取りがオモシロイ

ギリシャに始まる西洋哲学の流れが再認識できたこともうれしい

嫌気が差していたダライラマの素が見えたことにも感謝する

この本の内容も多面的で

哲学と宗教論は勿論のこと

物理学における宇宙から量子論認知科学精神分析にまで及び

政治経済から文化芸術とその幅の広い対話に触れることもたのしい

 

この本の企画に添っての会話なのだろうけれども

対話というよりも東西の哲学と宗教と文化文明の

比較と対比に陥り優劣を語る場面が面白くもあり残念でもある

仏教を科学としてとらえながらも

善悪感や上下関係に迷い込む場面も多く

布施に関する思いや常に利他的であれと言う極論にも疑問が湧く

自分を殺すことなく補い合う再分配と対等性による調和であってこその

仏教ではないのだろうかなどと揚げ足を取りたくもなる

 

この私達が住む相対性時空間という摩擦界が
相対なのか絶対なのか・有限なのか無限なのかの捉え方にも異論がある
釈迦の悟りとは絶対なのか?それとも相対的なのか?
果てしなく続く悟りなのか?唯一無二の絶対の境地なのか?
マウチリガールの今の心境はどこにあるのだろうか?