アルファルファ作戦 筒井康隆 中央文庫
社会派お笑いSF作家という
落語家のような異色な存在だ
デビュー作の「東海道戦争」以来
一貫して物質文明において必然的な
戦争と差別社会がもたらす
情報支配に視点を置き予言的であり
52年経った今でもうなずけてしまう内容である
この本は9作の短編からなり
それぞれが今に至る政治における社会の
支配的依存度を痛烈に暴き出している
だからといってどれだけ社会の進歩や
個人の意識や視野を広げられたかと言えば
彼が指摘しているようにラチがあかずに
今や資本金融社会は末期状態のあがきの中にある
しかし個人的にはこれを読むことで
この時代を読み解く客観性を手に入れられるかもしれない