◎劣化と成長 161227

◎劣化と成長 161227
 
目的を持った変化を《成長》と言い
目指す方向と違う変化を《劣化》とするならば
レシプロエンジンのピストン運動は
回転力を効率よく伝えることを目的とし
シリンダーの円柱形をより正確に
磨き上げることを成長と言うのだろう
 
それにはシリンダーの垂直性が求められ
そこから外れるほど自らの運動による研磨で
劣化という自滅へと向かうパラドックスに陥る
 
生命としての人間の目的を大自然という抽象的な無限性を
具象的に創造する喜びだとすれば
その好奇心を発揮し
冒険と発見に挑戦していることを成長と言い
その方向性から外れている部分を劣化と呼べるのかもしれない
 
肉体が前向きな意識を支えるために
その意識と調和して共にある状態を成長と言い
後向きに分離して物欲に偏ることを
パラドックスに迷い込んだ自爆行為となる
劣化と言っても良いのかもしれない
 
この相対性時空間という大自然のゲームを創ったのは
総体である神かもしれないが
この摩擦界のゲームに挑戦している私たちは
自分の自主的な選択によって五分五分の人生ゲームを
たのしんでいるのだと思う
 
つまり生命とは抽象的な神を五感で認識できる具象的な姿形で
永遠に表現し続けるクリエイティブな分身であり
真球なる完璧で混沌なる神の二つと無い部分として
歪みながらも有限的な形を持ったカガミの世界を
演じているということか
 
この成り行きを中心である天から覗いている唯一の観客は
ナルシスティックな神自身だということだ