情と愛 161005

情と愛 161005
 
主観性と客観性の違いを混同してはいけない
欲望からの恋しさを愛だと思い込んでしまうと
本末転倒し可愛さ余って憎さ百倍と成りかねない
 
例えば人間と虫あるいは植物と鉱物
お互いの距離が無限に近く
関係の薄い相手ほど客観的な愛を持つことができて
主観的な情を感じることを無くすことで
自己完結する全体観を支えるための部分同士による
循環性を持った食物連鎖を容易にする
 
問題は近くて遠い利害を孕む環境から起る情である
お互いの距離を具象的な過去でもなく
混沌なる未来でもない
抽象性の高い今現在のゼロの近くに設定できるほどに
お互いを知り視野の広い全体観を育めることになる
相手と自分の関係を素直に補い合い尊厳を保ち
お互いの信頼を深めて切磋琢磨することで
部分性の連鎖を飛躍的にふくらませることができる
 
しかし過去の物的現象である具象性に依存してしまうと
利己的な所有欲が芽生え利権の確保に奔走して争い
全エネルギーを共食いに費やすことになる
 
人間のように強欲がこうじて共食いしてしまうと
全体を視野に入れた冷静な判断力を失い
不安恐怖まみれの利権に溺れ目先の損得に迷わされてしまう
差し当たっての利害を共有できる近場よりも
違うことに注目してお互いの個性を尊重する適切な距離を
知る能力を高めていく必要がある