社会性を持たされた美 160807

社会性を持たされた美 160807
 
五感からなる情念に触れてその共感を所有するための
具象的道具として価値を持つモノを芸術と呼ぶのか
それともこの世の真理に触れる瞬間を美として求め
冒険する抽象性を芸術と呼ぶのか
 
結果でしかない事物を芸術の目的とするのか
一成る調和へのプロセスに乗る抽象的なタカミを目指す
変化の機微を芸術とするのか
 
このどちらで心を満たすかは
その人なりの視野の広さと意識の深さによるものだろうか
あるいはプロセスの如きを芸術とは言わず
哲学とか悟りの道と言うのかもしれない
 
いずれにしても
この社会性を持たされた美によって
人間環境は利権という後ろを向いた物欲の狭い世界を作り出し
無理心中による共食いで棲み分けの食物連鎖から外れて
自滅へとひた走っているのである