じいと山のコボたち 平方浩介 童心社

じいと山のコボたち 平方浩介 童心社

所有するモノがない故の虚栄心の薄い母性心の器の広い美しさと
頑固というこの本にも一度だけ出てくる言葉が全てを現す男の甲斐性という切なさ

一人で生きることのできないこの世に生きる生命体の
部分性と全体観に気付ける者と気付けない者
過不足のないシナヤカな集いから約束事で固めてしまった社会的価値観へと
我が身を染めて生き延びながらも
空を向き必要に応じて分け合う全体観の喜びに目覚める者と
所有に執着して足元ばかりに気を取られてしまう者とが織りなす
この世のはかなくも永遠に続く心の物語