風にもまけず粗茶一服  松村栄子 ポプラ社

風にもまけず粗茶一服  松村栄子 ポプラ社
 
茶道の虚と実を
長男が受け継ぐという家元制度に生まれ合わせた
若者たちが
その理不尽でもある重圧と摩擦の体験から
外目線の社会的価値観と内目線の精神的自律を学ぶ
年令を問わない青春物語
 
空を飛べるがごとくの仙人のように
体力も気力も人智を超えた人ですら
マンネリに陥っていることに気付けず
傲慢になっているという気付きの無限性をも描いている
 
ここにお互いの自在性と対等性による調和のあり方を
学ぶことが出来るのだと悟るチャンスがある
 
目からウロコの市民達の開眼によって
過去の唯物的権利と競争に引きづられた虚の依存的政治を
こうした視野の広い実の意識にまで成長させたいものだと思う