八百万の神々 戸部民夫 新紀元社 《ジレンマ=つくりことは壊すこと=》
ジレンマ=つくりことは壊すこと=
この世には知らない神様がいっぱいいる上に
名無しの神様も山ほどいるらしい
最終的にはこのヤマトの民の全てが神の一族だということだ
天孫降臨がそもそもの初めだと思っていたけれども
読み進むうちにそう古い話で無いことに気付いた
すでに住んでいる人々がいなければ
戦いが起るはずもないし侵略の必要もなかった筈だ
ここに開発とか発展という言葉が
ジレンマの発祥でもあるということを露わにしている
どちら側に立ってみるかで英雄に成れたり
侵略者に成ったりと勝手な解釈がはびこる
稲の神だの五穀だの農耕だのという言葉がこの話の
あちこちにあるところを見ると
どうやらヤマトという縄張りを張ったのはせいぜい
弥生時代の少し前というところか
ヤマトの初めだということになるが
では高天ヶ原とは一体どこなのだろうか?
モンゴルや中東の人々が釜山を通って来たのかもしれない
いずれにしても古くは東南アジアやヒマラヤやインドなどを
含めた縄文人に加えて更なる多民族の混血となったのだろう
何度も侵略や謀反が繰り返されて今に至っているわけだし
最終的には神武以来の朝鮮の血が色濃く残されているのだろう
言ってみれば東のはずれにある八ッツの島に辿り着いて
混血したヤマトの人々に敵も見方もない
世界中の民の縮図であり仲間であるということではないのか
今となっては分裂している世界中の民をつなぐ役目を
ヤマトの混血の民が担っているということではないのか